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北九州地区労連ニュース201号(2023年7月21日)

北九州地区労連ニュース201号(2023年7月21日)

7月20日北九州地区労連は、全国一律最低賃金制度実現と大幅引き上げを求め、小倉駅で宣伝行動に取り組みました。

最低賃金の改定に向けて、中央最低賃金審議会で労使協議が始まり、7月末には目安が出されます。使用者側は、企業の経営状況もあり大幅賃上げに否定的です。

全労連が取り組んだ全国の生計費調査では、東京でも福岡でも沖縄でも、月に24万円・時間額1500円以上が必要となっています。

福岡県の最低賃金は、9000円です。一日8時間・月21日で働いて15万1200円です。この額で健康で文化的な生活ができるでしょうか。

特に今年は、物価高騰が毎月のように報道されています。こうした状況で岸田首相は、口では「国民の皆様の厳しい声に真摯にとか謙虚に丁寧に」と言いながら、防衛費だけに湯水のように税金をつぎ込もうとしています。

今の物価高騰、本当に異常です。2022年度の平均の消費者物価指数は生鮮食品を除いて、前の年度より3.0%上昇しました。3.0%の上昇率は1981年度以来41年ぶりの水準です。岸田首相は、今年の年頭記者会見で「物価上昇率を超える賃上げの実現」と発言し、経済三団体の新年祝賀会では、物価高を上回る賃上げを企業に要請し、政府も公的セクターでの賃上げをめざすと明言しました。しかし、最低賃金の早期引上げや公定価格などの引上げ、や公契約法の確立など、政府ができることすらしていません。春闘では、連合加盟の自動車総連や電機連合が「満額回答を引き出した」と報道されましたが、そもそも要求額が低く、物価上昇率にも及んでいません。厚労省が、6月6日に発表した4月の毎月勤労統計でも、前年同月比で実質賃金が3.0%減ったと報告され、13か月連続で下がっています。大幅賃上げを求める運動を強めなければなりません。

いま日本の労働者の4割が非正規労働者です。非正規労働者の賃金格差を利用して正規労働者の賃金抑制も行われており、労働者全体の賃金が抑えられる構造です。年収200万円以下のワーキングプアは、1126万人(21.4%)(国税庁2022「民間給与実態統計調査」)です。

韓国の平均賃金は、2021年のOECD統計では、日本を1割程度上回っています。最低賃金は、韓国は全国一律で日本円で991円、日本の全国平均961円を上回っていますが、韓国はこれに加えて週休手当と言って週休日が一部有給になるため1189円となり、日本で一番高い東京の最低賃金1072円さえも上回っています。世界に目をやるとコロナ禍で最低賃金を3回も見直した国がドイツ・フランスとあり、多くの国が1500円を超える全国一律の最低賃金となっています。韓国では、最低賃金を大幅に上げるために年金や雇用保険など社会保険料の減免を積極的に進めています。日本では、中小企業の支援策はあっても手続きが複雑でわかりづらいなど有効なものが少ないといわれています。韓国のような分かりやすく使い勝手が良い、こうした減免制度の創設が望ます。

ビラ400枚を配り、市民から署名があれば書くよと激励されました。


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北九州地区労連ニュース201号第1面

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