昨年は、新型コロナウイルス感染症拡大による経済への影響や中小企業が置かれている厳しい状況等をふまえて「雇用の維持が最優先」などを理由に「現行水準を維持することが適当」として中央最低賃金審議会は目安額を示しませんでした。
今年もコロナ禍が続く中ではあるが、「可処分所得の継続的な拡大と将来の安心の確保を図り、さらに消費の拡大につなげるという経済の好循環を実現させることや非正規雇用労働者の処遇改善が社会的に求められている」として、すべてのランクで28円引き上げる目安を答申しました。そのため10月1日から福岡県では、最低賃金が842円から28円引き上げで870円となりました。
全労連は7月16日に「当事者の声を前面にかかげ、組合員の総力をあげて、目安額を上回る大幅な引き上げで、賃金の引き上げ、地域間格差の是正などに全力をあげる。同時に、全国一律最低賃金制度の確立に向けて一層奮闘する決意である。」と事務局長談話を発表しました。
県労連は、エフコープ労組などとともに福岡県最低賃金審議会へ「870円をさらに引き上げ、8時間働けば普通のくらしができる最低賃金にするように。」と不服申し立てを行いました。
全労連主催の「最賃運動交流会」が10月3日(日)13時30分からZOOMによるオンライン開催で行われました。黒澤事務局長の開会あいさつに続いて、「2021年度改定状況と秋の行動提起」を衛藤常任幹事が行いました。特別報告Part1では①しまね労連②大分県労連③秋田県労連④京都総評が報告しました。目安額にプラス4円の島根県、プラス2円の秋田県・大分県、府議会で最賃の引き上げと中小企業支援を求める意見書が全会一致で可決された京都の報告でした。全体交流の後特別報告Part2では、北九州地区労連から報告しました。全労連最賃署名にも記載のある「北九州市議会では、段階的に全国一律最低賃金の実現を求める意見書が可決された。」について説明しました。
9月に市民連合と政策合意した立憲民主党、日本共産党、社民党、れいわ新選組の野党4党は、選挙公約として「最低賃金を1500円」に引き上げる公約を掲げました。
北九州地区労連は全労連・県労連とともに、安倍・菅政治が続けてきた財界・大企業優先の経済政策から労働者のくらしを底上げする国民本位の経済政策に転換し、中小企業支援の拡充とあわせて、人間らしい最低限度のくらしを保障する「全国一律最低賃金制度」と最低賃金1500円の実現を求めて、さらに運動を強めていきます。
最低賃金宣伝は、9月30日(木)18時から小倉駅前で行い、300枚のチラシの入ったティッシュペーパーを配りました。