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2011年春闘・全労連統一要請書(北九州市あて)

2011年春闘・全労連統一要請書(北九州市あて)

貴職におかれましては、日頃から、国民・住民の雇用・仕事の維持・安定、くらしの向上のため、また職場や公契約関係にある団体で働くすべての人々の雇用・労働条件の向上にご尽力されていることと存じます。

さて、2008年秋の経済危機で可視化された労働者の雇用劣化や貧困は、2年経過しても解決されず、むしろ深刻化しています。労働者の3人に1人がパート・契約・派遣・請負などの非正規労働に追いやられ、4人に1人は年収200万円以下です。無縁社会や孤独死が社会問題となり、自殺者は年間3万人を超え続けています。 

労働者の賃金低下と雇用の不安定化が、消費を冷え込ませ、主要先進国で唯一、経済成長できない日本の元凶となっています。製造業大企業はリストラや下請単価切り下げで投資費用を捻出し、生産拠点の海外移転を加速させ、地域経済の疲弊に拍車をかけています。この経済の悪循環が、国、地方自治体の財政を圧迫しています。

全国労働組合総連合(全労連)は、以上のような危機的な状況を克服するため、すべての労働者の賃金引き上げと雇用の安定、中小企業経営の維持などによる内需中心の景気回復の実現を求めて春闘に取り組んでいます。

内需中心の景気回復を実現するためには、これまでの輸出大企業の国際競争力強化を優先する政策からの転換が必要です。賃下げ、首切り「合理化」、非正規雇用への置き換え、そして下請け企業への買い叩き、税制等での優遇措置などによって巨額な内部留保を積み上げて「カネ余り」状態にある大企業に応分の負担、社会的責任の履行を迫ることが必要です。

しかし残念ながら、2011年に政府が重視するとしている政策は、一部の大企業のみが得をする法人税減税であり、減税分穴埋めのための消費税率引き上げです。前回の消費税増税は景気回復の芽をつんだ愚作でしたが、それを繰り返そうとしています。さらに、農林漁業と地域経済、中小企業経営、雇用への悪影響が強く懸念されるTPP(環太平洋戦略的経済協力協定)への参加や、後期高齢者医療制度廃止をすり替える医療制度改悪、ナショナルミニマムを形骸化させる地域主権改革を打ち出しています。これでは、内需はさらに冷え込み、国民・住民の痛みは解消せず、地域の疲弊はさらに深刻化します。

このような状況にあるからこそ、使用者としての国・地方自治体の姿勢が問われます。私たちは、雇用破壊や賃下げに加担せず、雇用の場の創出と維持、最低賃金引き上げも含めた関連労働者の賃金引き上げ、公契約法・条例の制定など最低限の働くルールの確立などに取り組んでいただくことを強く期待しています。

貴職と全労連には、立場の違いはあるものの、公務員労働者の生活安定と国民・住民への公務・公共サービスの充実をめざす点では共通していると思います。 本要請の趣旨を受け止め、積極的対応をお願いいたします。

  1. 当該組合の春闘要求に対し、指定日に誠意ある回答を行うこと。また、公務員賃金の社会的規範性を認識いただき、一方的な賃下げへの反対はもとより、改善について関係機関への働きかけを強めていただくこと。
  2. 非正規社員や派遣労働者も含め、貴機関及び関連機関に働くすべての労働者の雇用安定に努力いただくこと。
  3. 常勤職員と非常勤・嘱託職員の均等待遇を進めていただくこと。
    請負、委託、派遣などの労働者の労働条件について、常勤職員との均等待遇のために特段の対応をいただくこと。偽装請負などの違法な「雇用関係」が発生しないよう点検を強めていただき、短期雇用を繰り返す脱法行為は根絶していただくこと。
  4. 雇用拡大の観点から、青年労働者の正規採用を拡大いただくこと。
  5. 恒常的な超過勤務の縮減、不払い・サービス残業の解消をはかっていただくこと。
  6. 公務員労働者の労働基本権の回復について、関係機関への働きかけを強めていただくこと。   
  7. 「公共サービス基本法」をふまえ、業務委託先・調達先で働く民間労働者の雇用・労働条件の適正化に資するよう、入札制度改革などの措置をとっていただくこと。

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