貴職におかれましては、安全・安定した電力の供給など豊かな住みよい街づくりのためにご尽力されていることに敬意を表します。
2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴い、東京電力福島第1原発が引き起こした重大事故は、いまだに収束の見通しも立たない状況が続いています。このことは、地震と津波など自然災害に対する備えの不十分さにあったことは明らかです。重大事故の被害は想像を絶するものであり、事故後7年目を迎える現在に至っても、多くの被災者が住んでいたところに帰ることもできず避難生活を余儀なくされています。
福島原発事故から7年が経過したいまでも事故の直接的原因は究明されておらず、廃炉作業も一向に進む気配がありません。また、原発の運転によって生み出された高レベル放射性廃棄物=「核のゴミ」の処分についても未だ確実な処理方法が確立されていない中で、国が進めようとしている地層処分についても賛同が得られず行き場のない状況が続いています。このような状況から目をそらし、川内原発を皮切りに、相次いで原発の再稼働が認められ、核のゴミが日々産出されています。
私たちは、1986年のチェルノブイリ原発事故、1999年の東海村JCO臨界事故に際して、国に対し原子力発電での徹底した安全確保と情報公開を要請してきました。しかし、事故対応の遅れや情報の隠ぺい、健康影響へのあいまいな説明も、原子力行政の信頼を大きく失墜させるものでした。放射性廃棄物の処分問題も未解決なまま、これ以上原発の存続を容認することはできません。
貴職をはじめ電力会社や原発推進派は、日本の原発は安全だと言い続けていましたが、原発に「絶対安全はない。」ことは、福島原発の事故で明らかとなり、また、日本には活断層が至る所にあり、火山の噴火もいつどこで起こるかもわからない状況であることは、草津本白根山が突然噴火したことで明らかです。
原発の危険性、核のゴミ処理問題などのリスクなどを考慮し、原発に代わる再生可能な自然エネルギーへの転換を直ちに行う時期に来ていると考えます。
福島原発事故以降、多くの国民が安全で安心な社会の構築を求めており、一刻も早く原発の稼働を停止させ、国内すべての原発の廃炉の実現を切望しています。
また、世界的にも再生可能な自然エネルギーへの転換の流れも大きくなっています。九州電力としても自然エネルギー利用を促進する立場でやられているとは思いますが、九州で玄海原発および川内原発を所有する貴職に対し下記の要望を行いますので、真摯に受け止めていただきご回答くださいますようお願い致します。
- 原発の危険性、核のゴミ処理問題などのリスクなどを考慮し、原発に代わる再生可能な自然エネルギーへの転換を直ちに行うこと。コスト比較をする際に、廃炉費用や事故処理費用など含めて比較すること。
- 原発で働く労働者の労働条件の抜本的改善と健康管理体制を確立すること。
- 神戸製鋼所データー不正事件を受け、すべての部材についてその安全性を徹底調査すること。また、安全性が確認されるまで、すべての原発の稼働を止めること。
- 玄海原発、川内原発の使用済み燃料プールの貯蔵能力について明らかにし、貯蔵能力を超える使用済み燃料が出る場合、原発の稼働は止めること。