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「公契約」条例(公共工事や委託契約など)を制定し働く労働者の賃金・労働条件の改善に関する要請書(北九州市あて)

「公契約」条例(公共工事や委託契約など)を制定し働く労働者の賃金・労働条件の改善に関する要請書(北九州市あて)

貴職におかれましては、日頃から住民の雇用と仕事の安定、労働者の生活向上にご尽力されていることに敬意を表します。

早速ですが、厳しい経済情勢の中、地域住民の生活と暮らしを支える上で自治体の果たす役割は極めて大きくなっています。ところが、自治体職場では正規職員の定数が削減され、本来行政が責任を持ってしなければならない部署(学校給食、保育所、環境等)の多くが民間に委託され、また、臨時やパート職員など非正規職員が増え続け、低賃金・不安定雇用のまま、行政に不可欠な仕事を担うようになっています。

国や行政が行政の業務や公共工事、公共サービスを民間に発注する公契約の多くは、予定価格内で最も安い金額で入札したものが落札する競争入札制度によって受注者が決められています。その結果、受注した業者は利益を出すために、労働者の賃金や下請け業者の単価を徹底的に切り下げるなど劣悪な労働条件で働く低賃金労働者を作り出しています。

たとえば学校給食職場では、直営校に比べると極端に少ない人員配置で給食を作らなければならない事になり、衛生管理や掃除等の業務に悪影響が出ています。委託校では、劣悪な労働条件の上責任は重く、耐えられずに退職する従業員が数多く、離職率が極めて高くなり給食技術の継承も出来ない状況です。

また、建設業界では、建設業の担い手確保のため「公共工事設計労務単価」が、6年連続で引き上げられ、2012年度比43.3%上昇、福岡県の全職種平均で+7,283円となっています。しかし、重層下請構造の業界において末端で働く労働者には引き上げられた単価が届いていないのが実態です。福建労が行った2017年賃金アンケートでは、賃金が上がったと答えた人はわずか9.6%、上がった人の金額の平均も2,388円となっています。国交省も技能労働者の賃金は、平成28年度までの4年間で7%しか上昇していないと認めています。このままでは、担い手確保どころか建設業界そのものが成り立たなくなります。

このような状況を憂慮しILOでは「公契約における労働条項に関する条約」(第94号)を1949年に採択しています。ILO94号条約は、「公契約における労働条件の相場水準を確保すること。」を定め、約60ヶ国がこれを批准し、公契約規制が進められています。

ところが、国や多くの自治体は(北九州市も含む)、民間部門の賃金その他の労働条件は関係当事者の労使問題であり、労基法に違反していないものに行政が介入する事は出来ない。」とILO条約を批准しないばかりか放置してきました。
このことによって、人件費の適正水準を無視した過酷な低価格受注や下請け業者に対するピンハネなどが横行し下請け企業や資材・機材納入業者、そこで働く労働者にしわ寄せが押しつけられています。住民のために行なっているつもりの安値の落札が、低賃金労働者を生み出し、住民サービスの低下、公共工事の質の低下を招くような事は即刻改めなければなりません。民間委託や公共工事などの公契約の分野から、「働くルール」を確立し、「適正な賃金」「適正な人員配置」「公正な労働条件の確立」を追求していかなければなりません。

公契約条例は、2009年9月、千葉県野田市で制定されてから、多くの都市で注目され、現在多くの都市で制定され増え続けています。政令都市の神奈川県川崎市では、世界的な経済悪化は、国内公共工事での低価格による落札を続けさせ、下請け業者や労働者の賃金にしわよせが及ぶことが懸念される。市民生活や雇用に安定を害し、公共工事の質の低下も招きかねないから労働環境と公共工事の品質を守るためにも公契約条例が必要である。と2012年4月に制定されています。

つきましては、下記要請項目について真摯に検討され、公契約条例の実現のために積極的な対応をよろしくお願いいたします。

  1. ILO94号条約を批准し、併せて国内法を整備するよう政府・国会など関係機関に働きかけを行なうこと。
  2. 公契約条例を制定し、条例の対象には公共工事、事務委託、業務委託及び指定管理者、「一人親方」も対象とし、作業報酬(賃金)の下限額に加え、必要な経費なども支払われるようにすること。又、業務委託や指定管理者において、新たに受託した事業者には、それまでそこで働いていた労働者の雇用の継続を義務づけること。(基本的に賃金・労働条件は低下させないこと。)

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