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2015年春闘・全労連統一要請書(北九州商工会議所あて)

2015年春闘・全労連統一要請書(北九州商工会議所あて)

貴団体におかれましては、産業の発展、働く者の雇用とくらしの安定に尽力されていることと存じます。

さて、日本経済を不況から脱却させ、経済の好循環を実現するには、内需重視の景気対策が必要であり、賃金の引き上げが必要であることは、国をあげた共通認識となっています。しかし、政府による金融緩和や財政出動、経済団体への「賃金引き上げ」要請にもかかわらず、賃金の改善は進んでいません。むしろ非正規雇用労働者が2000万人を超え、低賃金労働者の増加と消費税増税や急激な円安による諸物価の高騰が実質賃金の低下に拍車をかける状況となっています。賃上げが実現しないため、消費支出の減少が続くことで地域経済を疲弊させ、増税分を転嫁できない中小企業は相次いで経営困難に陥っています。一方で、アベノミクスによって資本金10億円以上の大企業の内部留保が増285兆円にも達しました。

昨年末に発表されたOECDの報告では、その加盟国では富裕層と貧困層との所得格差が過去30年間で最大に広がり、格差の拡大が各国の経済成長を損なっているとして、トリクルダウンはまやかしだと厳しく指摘しています。しかし政府はトリクルダウンに固執し、大企業の収益最優先で邁進しています。

政府の2015年度予算案は、労働者・国民と中小企業には負担を押し付け、大企業負担は次々と軽減する中身が目白押しです。多国籍化する輸出大企業を優先する行政の転換、社会保障の拡充と税による所得の再配分機能、中小企業への支援・振興策の強化、労働者の賃金引き上げと雇用の安定が必要です。必要な財源は、内部留保をため込んでいる大企業が応能の負担をして国内での雇用責任を果たせば、下請関連・中小企業に適正な単価を支払うことは十分に可能です。そして、消費税再増税、社会保障改悪と負担増、TPP参加、労働法制改悪をやめ、働く者が安心して働き続けられる社会の構築が求められています。

貴団体と全労連には、経営者団体と労働組合という立場の違いはありますが、日本経済の持続的発展、地域経済・中小企業の活性化、労働者の生活安定を願う思いには共通するものがあると考えます。

つきましては、下記の要請事項を積極的に受けとめた対応をいただきますよう申し入れます。

  1. 貴団体加盟の企業に、労働者の雇用維持と新規雇用拡大、新卒者採用の努力を要請いただくこと。
  2. 貴団体加盟の企業に、内需拡大のために賃金引き上げを積極的に行うよう要請いただくこと。各企業で働くすべての労働者の賃金を「時給1,000円以上」とするよう指導いただくこと。
  3. 貴団体加盟の企業に、不払い残業や「名ばかり管理職」、非正規切り、不当解雇などの違法、脱法の根絶を要請いただくこと。長時間労働の解消と有休休暇完全消化の取り組みを強めていただくこと。
  4. 貴団体加盟の企業に、子育てしながら働き続けるための条件整備や高齢者雇用に積極的に取り組むよう指導いただくこと。
  5. 貴団体加盟の企業に、非正規雇用労働者の正規雇用への積極的な転換を要請いただくこと。
  6. 政府に対し、公的就労の場の確保、公契約法制定を働きかけていただくこと。
  7. 消費税増税やTPP参加に反対し、原発依存のエネルギー政策の転換を求める私たちの運動との共同をご検討いただくこと。

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