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最低賃金引き上げと全国一律最低賃金制の確立を求める要請書(北九州市・北九州商工会議所あて)

最低賃金引き上げと全国一律最低賃金制の確立を求める要請書(北九州市・北九州商工会議所あて)

貴職におかれましては、日頃から住民の雇用と仕事の安定、労働者の生活向上にご尽力されていることに敬意を表します。

一握りの大企業が巨大な収益を上げ、株主配当と内部留保を拡大する一方で、圧倒的多数の働く人々の生活は苦しくなる一方です。非正規雇用労働者は全労働者の4割となり、ワーキングプアと言われる年収200万円以下で働く労働者は、非正規雇用を中心に1,132万人(23.2%)となり、4年連続して1,100万人超えの高水準となっています。また、国民の所得分布が低いほうに集まってきているため、中間層が減り、低所得層が増え、「貧困ライン」は年々下がり続けています。そのために個人消費が落ち込み、少子化・人口減少が全国的に広がり、日本の経済・社会に深刻な影響を与えています。

この問題の解決には、8時間働けば、誰もがどこでも、人間らしく普通にくらせる賃金水準に底上げをする必要があります。

福岡県の最低賃金が10月1日約3%25円引き上げられ814円となりました。今回の改定で、東京985円、埼玉898円、広島844円、静岡858円、鹿児島751円と地域による格差は大きく広がり、フルタイム労働者の場合(1日8時間、月21日就労で計算)、東京と鹿児島では39,312円、東京と福岡では28,758円の賃金の差がでる事になります。近隣の佐賀県と比較すると8,736円福岡県の最賃が高くなります。福岡県労連は、昨年最低生計費調査を行ないましたが、単身の若者が普通の暮らし(健康で文化的な最低限度の生活)をするためには、男性で時間給1,517円、女性で時間給1,577円が必要であることが分かりました。全労連は、全国8カ所で同様の調査を行ないましたが、どこでもほぼ同じ水準の生計費が必要であるという結果が出ています。

現行最低賃金制度の弊害ともいえる都市部と地方の賃金格差によって、労働者は仕事と豊かさを求めて都市部に流出し、地方での高齢化と過疎化が進み、活力が奪われ、地域経済は益々疲弊し、大きな問題となっています。

私たちは、このような実態をなくすために、最低賃金法を改正し、普通に働けば人間らしい生活が出来る全国一律最低賃金法の創設を実現するよう求めます。地域経済をあたため、人口減社会に歯止めをかける有効な手段として、「時給1,000円以上」を今すぐ実現してください。そのためにも、地域経済を支える主役である中小企業・小規模事業所に最低賃金の引き上げを保障する特別な財政措置を実施してください。また、単価の不当な切り下げなど大企業の下請けいじめを正すことなど、原材料費などの諸経費と人件費が価格に適正に反映できるよう仕組みを整備するよう求めます。

つきましては、2019年の最低賃金改定に当たり、だれもが安心して暮らせる社会をつくることを念頭に置いていただき、下記の事項が実現されるように貴職のご尽力をお願いします。

  1. 最低賃金の地域間格差をなくし、全国一律最低賃金制度の創設のために国や県など関係機関に働きかけを行なってください。
  2. 福岡県の最低賃金814円を、今すぐ1,000円に引き上げ、1,500円をめざすよう関係部局に働きかけを行なってください。
  3. 最低賃金引き上げ実現のために、中小企業・小規模事業者への実行ある支援政策を関係機関に求めてください。

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