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2011年春闘にあたっての要請(北九州商工会議所あて)

2011年春闘にあたっての要請(北九州商工会議所あて)

貴団体におかれましては、産業と事業の発展をとおし、働くものの雇用と暮らしの確保・安定に尽力されていることと存じます。

さて、全国労働組合総連合(全労連)は、経済危機の克服が遅れている今の日本の状況を克服するためには、雇用の安定と賃金改善、中小企業経営の安定などを柱とする内需主導の経済転換が必要との立場で春闘に取り組んでいます。国民経済の将来を輸出だけに委ねるのでなく、地域再投資型・地域循環型経済を重視すべきという全労連の主張は、けっして奇異なものでなく、同様の見解が、富士通総研など民間シンクタンクからも出されています。

日本はこの10数年、主要先進国の中で唯一、経済が成長せず「デフレの罠」にはまっています。非正規労働者が増加し続け、平均賃金は低下し、労働者の4人に1人が年収200万円以下という状況です。これでは消費は拡大せず、青年は自立した生活を営むことができません。

賃下げと低賃金労働者の増加が内需を冷え込ませ、内需縮小が価格破壊をより深刻化にし、消費縮小と価格低下という二重の重石が企業の経営を圧迫し、さらに賃上げと雇用の安定を困難にする、という悪循環が続いています。この悪循環の克服こそ、政労使あげて取り組むべき課題だと考えます。

資本金10億円以上の大企業は、2009年の1年間だけで、内部留保を233兆円から244兆円に11兆円も積み増しし、手元流動性資金も潤沢にある状態だと承知します。

残念ながら、2011年に政府が重視するとしている政策は、農林漁業と地域経済、中小企業経営、雇用への悪影響が強く懸念されるTPP(環太平洋戦略的経済協力協定)参加や後期高齢者医療制度廃止をすり替える医療制度改悪、一部の大企業にしか効果が及ばない法人税減税と、減税分穴埋めのための消費税率引き上げです。消費税増税が景気回復の芽をつむ愚作であることは、すでに経験済みなのですが、それを繰り返そうとしています。これでは、内需をさらに冷え込ませ、景気を後退させて、悪循環から逃れることはできません。

貴団体と全労連には、経営者団体と労働組合という立場の違いはありますが、日本経済の持続的発展、地域経済・中小企業の活性化、労働者の生活安定を願う思いには共通するものがあると考えます。

つきましては、下記の要請事項を積極的に受けとめた対応をいただくよう申し入れます。

  1. 貴団体加盟の企業に対し、労働者の雇用維持と新規雇用の拡大に最大限努力するよう指導を強めていただくこと。非正規雇用の「期限の定めのない正規雇用」への転換促進を要請いただくこと。
  2. 貴団体加盟の企業に対し、ただ働き残業や「名ばかり管理職」、「非正規切り」、不当解雇などの違法・脱法 の根絶を働きかけていただくこと。雇用の維持・拡大のため、長時間労働是正の取り組みを強めていただくこと。
  3. 貴団体加盟の企業に対し、内需拡大のためにも、賃金引き上げを積極的に行うよう要請いただくこと。各企業で働くすべての労働者の賃金を「時給1,000円以上」とするよう指導いただくこと。
  4. 貴団体加盟の企業に対し、男女雇用機会均等法、「パート労働法」、次世代育成支援対策推進法の遵守を働きかけるなど、子育てしながら働き続けるための条件整備に積極的に取り組んでいただくこと。 5 貴団体として、国や自治体に対し、公的就労の場の確保や失業給付、職業訓練の充実、最低賃金法改正や公契約法・公契約条例制定を働きかけていただくこと。
  5. 貴団体として、国や自治体に対し、公的就労の場の確保や失業給付、職業訓練の充実、最低賃金法改正や公契約法・公契約条例制定を働きかけていただくこと。

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