貴職におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。また、先日は「公契約についての懇談」として意見交換いただき、公契約条例についてお互い深めることができましたことに感謝申し上げます。
さて、建設業界の状況につきましてはこれまでも申し述べておりますが、若者の入職が依然すすまず建設労働者離れは増加傾向を示す中、建設産業については10年先が見通せない深刻な状況となっています。
また、高度成長期を支えてきた団塊の世代といわれる労働者職人が5年~10年後に退職や引退の時期を迎える中で、建設産業への雇用拡大が急務となっています。
この間、国や業界、関係団体などが協力し、建設への入職を進める為、建設現場環境や労働条件の改善、社会保険加入推進などをすすめています。とりわけ国土交通省は「公共工事設計労務単価」を4年連続34.7%の引き上げを行い、賃金の適正水準確保を推進してきました。しかし、重層下請構造の建設業界では、現場で働く技能労働者へ賃金単価の引き上げ分が届いていないのが実態です。発注者である自治体は、元請け業者に対しての指導はされていることと思いますが、その先については「民・民契約」で立ち入れないことから現場への指導が行き届かない現状となっています。末端まで適正な指導が行える「ルールつくり」が必要であると考えます。建設産業へのルールつくりの一つとして注目されているのが公契約法=公契約条例であります。
全国の自治体で公契約の制定が進み、制定された自治体では適正な賃金と安定した労働条件が末端の現場まで確保されていると言われています。北九州市におかれましても早期の公契約条例制定をお願いします。また、国や福岡県へ条例制定の働きかけなどを行っていただくよう下記の様に要請いたします。
- 早期に公契約条例を制定して下さい。
- 国や県に対し、公契約法(条例)制定の働きかけを行って下さい。
- 公契約条例についての勉強会や制定への準備・作業などについて、北九州地区労働組合総連合また、福岡県建設労働組合を参加させてください。