地域住民のいのちと暮らし、安全をまもるためにご奮闘の貴職に敬意を表します。
いま政府は「有事法制」を国会に提出しようとしています。
提出の理由として政府はテロ対策や不審船対策を持ち出していますが、これらの問題は警察や海上保安庁などによる犯罪取締りによって対処できるものであって、戦争を遂行するための制度である「有事法制」を立法化する必要はありません。
また、いま日本に大規模な侵攻を企てる勢力が存在しないことは、政府自身が認めているところであり、戦争を準備する法律を持つ必要はありません。ましてや、戦争を放棄した憲法第9条を持つ日本は、「有事法制」を持って戦争を準備するのではなく、平和のための外交努力と国際貢献をこそ追及すべきです。
にもかかわらず日本に「有事法制」を立法化するということは、アメリカが軍事攻撃を拡大しようとしている今日、このアメリカの戦争に日本を参加させ、国民をこれに総動員することです。しかも政府は、「有事」の概念を「武力攻撃に至らない段階」をも含むものとしていますから、戦争にいたらない場合でも、政府が必要と判断すればいつでも憲法を停止して「有事」体制に入る危険に満ちています。米軍や自衛隊の軍事行動を最優先し、国民の身柄・土地・財産、地方自治体、医療・建設・運輸をはじめ全産業・企業に、戦争への協力を強制する「有事」体制が、わが国が世界に誇る憲法と基本的人権を踏みにじるものであることは言うまでもありません。 以上の趣旨から私たちは、貴職が地方自治法第99条にもとづき、下記の事項について政府に対する「意見書」を議決していただくよう要請します。
- 有事法制の立法化をしないこと。
- 憲法第9条をまもること