小泉自公政権と財界による全面的な雇用とくらし破壊がすすみ、貧困化と格差拡大が 進行する激動の情勢のなか、北九州地区労連は、第18回定期大会を開催した。大会では、代議員の真剣な討論を通して、「労働者の生活と権利擁護、強大な北九州地区労連 建設に向けたたたかい」を前進させる決意を固めた。
憲法改悪の動きは、昨年の衆参両議員の憲法調査会からの報告書提出や自民党の改憲草案発表で進展が早まっている。憲法改悪の手続きを定める国民投票法案や、共謀罪も継続審議になっており、秋の臨時国会で緊迫した情勢を迎えることになり、憲法改悪、教育基本法改悪と一体の運動として展開しなければならない。また、改憲策動と連動して、米軍基地の再編強化と自衛隊との一体化がすすめられている。北九州に隣接する築城基地への米軍機受け入れは絶対に許すことはできない。
小泉政権は、「小さな政府」の方針のもとに強行した郵政民営化だけでなく、年金制度改悪、医療制度改悪、所得税・住民税の定率減税の半減・廃止など、一般国民にばかり痛みを押しつける政治を次々と推し進めている。国民生活軽視の政治を食い止めるために、消費税増税等に反対し広範な社会保障の充実を求める国民的な運動を強めていかなければならない。
政府・財界は、労働者の統一闘争である春闘を解体して、成果主義や有期雇用をテコに個別労働者の格差を拡大しようとしている。また、公務員賃金の破壊や産別最賃廃止、賃金の最低基準を引き下げ、労働法制改悪など「賃下げ自由」の社会をつくろうとしている。北九州市の人事委員会は、「地域手当、能力・評価制度に加え官民の比較方法を見直し、地場中小零細企業の賃金に連動させ地域格差を拡大」を狙う政府の方針に追随する勧告を9月8日に出した。民間の賃金相場にも影響をおよぼし、地域経済にも打撃となる公務員賃金への攻撃に対し、住民合意の賃金闘争を基本に最低賃金や公契約の課題と結合した運動をすすめる。
私たちの切実な要求を前進させていくためには、組織の強化・拡大は緊急の重点課題である。非正規労働者や極端な低賃金労働者の急増やリストラ「合理化」の進行が、労働組合への期待を高めている。労働相談活動を強め北九州地域一般労働組合の拡大強化など、組織と運動を飛躍的につくりだすことを確認した。また、定温輸送の不当解雇撤回闘争も重要である。仮処分裁判の決定は、「事業者は、その事業を廃止する自由がある…、組合を嫌忌したことが事業廃止の動機となったとしても、そのことがただちに違法なものということはできず…」などといい、不当労働行為について何ら追求せず、企業の一方的解雇を認めるものであ
り容認できない。北九州地区労連は定温輸送の不当解雇撤回闘争勝利に向けて支援体制を強化し、解雇自由とも言える不当な決定を取り消し、解雇撤回に向けて全力を上げて奮闘する。
来春たたかわれる北九州市長選挙では、大企業奉仕、大型開発のムダ使い市政、市民のいのちを大切にしない市政から、憲法を生かした市民本意の市政に変え、笑顔の北九州市を取り戻すためにたたかうことを決意した。
私たちは、今大会で決定された運動方針を実践するために、北九州地区労連のあらゆる組織が、職場・地域のすべての労働者・労働組合を視野に入れた要求と政策をつくり、大胆な対話と共同をひろげ、労働者と国民の要求の実現をめざして奮闘することを誓うものである。
以上、宣言する。
2006年9月17日 北九州地区労働組合総連合会第18回定期大会